No 28

嘉庚学院大学 1
 


ブーゲンビリア

 


嘉庚学院大学本部

学生宿舎街
 

厦門大学付属・嘉庚学院大学

 

ロシア・マガダンを終えて、3年ぶりに再び厦門に戻りました。
「厦門大学の付属私立大学が新設されたので、是非教えに来てください」
と厦門大学の日本語科部長からお声がかかったりました。

前の教え子たちに再会したいのと、マガダンが極寒の地だったので南国に行きたいという気持ちがあったので、再び厦門に行くことを決めました。。

今度の大学は私立。厦門から船とバスで一時間の章(サンズイへん)州にあります。教師の半数は厦門大学の先生で、船で通って教えに行くのです。毎日教師専用の特別定期便が出ます。

外人教師も厦門市に住み、毎朝バスと船で大学に通いました。この通勤でかなりのエネルギーを消費し疲れました。

厦門大学の先生からも苦情が出ていましたが、この新大学が軌道に乗るまで仕方ないことだったとおもいます。

章州市は広大な土地を大学に無料で貸すことで大学を誘致、市の経済の活性化をねらったようです。厦門大学にもメリットが多くが話が進んだようです。

厦門大学本校の1,2年生の授業もこの大学敷地内に移され、学生宿舎も同じ敷地に移転しました。何もなかった荒野に巨大な大学と建物とホテルと商店が忽然と出来たというわけです。経済特区厦門人の発想の大きさに感心しました。

私立ですから学生は高額の授業料を納付して学びます。学生は福建省内の中流の家庭の子女が多かったようです。学生の質は意外に優秀で本校の学生と変わらないレベルの学生がかなりいました。だから授業の程度を落とす必要はありませんでした。
 

純和室での日本文化授業

 


着物体験・1

着物体験2

お茶の授業1

お茶の授業2
学生の感想文もあります
これらの絹の着物帯、ゆかた、お茶の道具などは私の高校時代の友人たち
の厚意で揃いました。改めて感謝します。
 

この大学には素晴らしいお茶室が新築されたばかりでした。掘り釜まであるのです。日本の提携大学との交流によって出来たそうで、大学の特色を出すねらいもあったようです。

ところが私に「日本語の授業の他に二学期はお茶を正式の授業として教えてください。」という話が突然やってきたのです。日本から来る予定だった提携校からのお茶の先生が来れなくなったというのです。

「ええっ!」私は絶句しました。お茶は娘時代に3年ほどやっただけで正式な免許などありません。

しかし、是非にと頼まれたら断れないのが私の性格。夏休み日本帰省中にDVDを見て復習し、お茶の本を読み漁って付け焼刃の猛勉強をしました。

「ふくさ」「なつめ」などお茶道具は、お茶の先生をしている友人に頼み色々寄付をしてもらいました。その他は代用品で工夫してなんとか2学期の授業の学生の数に間に合わせました。

一応授業ですから、テキストもつくり お茶の文化や歴史を講義をしました。そのあと実際のお手前に入りました。床の間のお花も指導し、学生に当番で生けさせました。

お手前を覚えるというより、お茶を通して日本の美意識や心を掴んでもらいたいとい思ったのです。

学生は正座が苦手なので我慢できない子はくずしていいことにしました。週2時間3ヶ月の授業で、裏千家のお盆手前を25名の学生全員が習得しました。

ペーパーテスト、実技テストも行いました。まったく、「はったり」と「冷や汗物」の授業でした。学生たちは多いに興味を示してくれ、私自身もやりとげた達成感があり懐かしい思い出の授業とになりました。

外国の大学では日本語教師はただ「日本語」を教えればいいというわけにはいきません。行く先々でいろいろのことを頼まれるのです。

弁論大会の指導、作文コンクールの指導、カラオケコンクールの審査、日本語劇や合唱、踊り、お茶、お花の指導、日本料理の審査指導などさまざまです。

夫はもっと大変でした。短歌、俳句、古典文法はもちろん日本漢文の読み方まで授業でやりました。授業以外では院生の論文の添削、ゼミでの講義、留学先へ提出する論文の指導、その推薦状作成。

大学で出版する日本語教科書の編纂委員、大学や留学関係の政府機関のパンフレットの校正、中国人教授が個人で出版する研究論文の校正、その他なんでもこなしました。授業外ですから深夜まで仕事が続く日もありました。

この10年私たちは、たとえ専門ではなく、少々自信がなくても、自分の最善を尽くす努力をし、全力でその依頼に応えてきた気がします。

友人・みちこさんのお花の授業
 


みちこさんの華道教室

学生が生けた花

 

私の朋友 みちこさんがわざわざ東京からお花を教えに嘉庚学院まで来てくれました。花や花器までケースに詰めて持って来ました。すべてボランテアです。


このお花教室は夜の「日本語コーナー」で行い参加者多数で大盛況でした。 

 

 

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